我が家は地元の銀行から住宅ローンを借りています。住宅ローン控除も終了したので借換を検討してみました。というか、実際に審査を申し込んで、承認をいただきました。
ということで、色々考えていたことをまとめてみました。何かのご参考になれば幸いです。
結論っぽいもの
- 月々の返済額がや返済総額が下がるからだけじゃなく、出口戦略まで含めて考えてみることが大切かもしれない
- できれば最初から金利の低いところで借りて、借換しないで済む方がいい
借換は次善の対応?
初めから安い利率で借りられていれば借換はしないで済みます。諸費用の支払いも1回で済みますので、最初からきちんと比較して、自分に合ったところから借りることが一番いいと思います。
ですが、我が家のようにマネリテに乏しく、特に比較せずに借りちゃった方や、審査の結果、当初借入時に借りたいところで借りられなかった方は借換を検討する余地は十分あると思います。一般的には
- 残債額が大きい
- 残年数が長い
- 借換で下がる利率が大きい
といった条件に該当すれば借換を検討してもよいといわれますが、どんな条件なら借り換えた方が得なのかというのは一言でいうことが難しいです。そういう時は、具体的にシミュレーションをしてみましょう。
借換するときの考え方【具体例つき】
我が家の状況
具体例があったほうがわかりやすいかな、ということで我が家の状況を。
- 残債は約1,980万円、残存期間は約25年、金利は1.5%(変動金利)、毎月返済額は75,000円
- 借換の承認は借入額2,000万円、借入期間は25年、金利は0.7%(変動金利)、毎月の返済予定額は72,000円

あれ?金利は半分くらいになってるのに、月々の返済額はそんなに変わらないんですね
はい、我が家の現在の借り入れは5年ルールで返済額が据え置かれています。5年ルールの適用がなければ、毎月の返済額は79,000円くらいです。
住宅ローンは元本と利息を合わせて毎月一定額を返済するという仕組み(元利均等返済)が一般的です。ですので、例えば毎月10万円返済していたとしても
- 金利1%の場合は利息が1万円、元金が9万円で合計10万円
- 金利2%の場合は利息が2万円、元金が8万円で合計10万円
ということになったりします。5年たつと、利息2万円+元金9万円で合計11万円に返済額が増えるといったイメージです。
ということで、月々の返済額が79,000円だったとしてざっくり試算すると、
- 借換による月々の返済額減少は79,000円ー72,000円=7,000円
- 借換によるメリットは7,000円×12か月×25年=2,100,000円
ただし、借換には費用がかかります。一般的には借入額の3%くらいといわれていますので、2,000万円の借り入れだと60万円くらいです。
というわけで、借換によるトータルメリットは大体150万円くらいですね。
ちなみに借入額と利率からの月々の返済額は住宅保証機構さんのHPで計算できます。
出口戦略はどうする

150万円もメリットが出るなら借り換えるしかないのでは?
ちょっと待ってください、落ち着いて出口戦略まで含めて考えてみましょう。ここでいう出口戦略とは、住宅ローンをずっと借り続けるのか、途中で繰上返済するのかということです
例えば、我が家の例ですと、借換に伴う諸費用の手出しが大体40万円くらいです。これを毎月の返済額の減少7,000円から取り戻していくということなので、40万円÷7,000円=57.14…となり、約5年で収支がトントン、そこからは借換したほうが毎月7,000円お得になっていくという感じです。
なお、話が複雑になるのでここでは手出しする40万円に対する運用収入は無視しています。しかし、借換額が大きく、手数料が高額になるようでしたらこの影響も無視できなくなります。運用収入を考慮すると、借換で元を取るのに必要な年数が少し伸びます。

なるほど・・・極端な例かもしれませんが、借換から5年以内に完済してしまうのであれば借換してもあまり意味がないですね。
現在の金利水準で積極的に住宅ローンを返済したい方はいらっしゃらないと思いますが、引っ越す場合は話が別です。例えば、子どもが巣立ったら小さな家に引っ越そうと思っている方は基本的にそのタイミングで住宅ローンを完済することになると思います。
我が家の場合は子どもが大学生から家を出ることになったとしてもあと10年くらいはありますので、この条件だと借り換えた方がオトク、ということになります。
【おまけ】変動金利と固定金利はどっちがいいの?
余談です。とにかく安い変動金利こそ正義派VS安定的な返済を可能にする固定金利こそ正義派の戦いが長らく繰り広げられてきました(本当か?)
これは借りる方の状況や考え方にもよるので何とも言えないのですが、経済的な視点からだけでいうとあとから多少金利が上がったとしても借り入れ当初に安い利率で借りられる変動金利で借りた方がいいことが多いです。
なぜなら、借り入れ当初の利息は借入額のほぼ全額に対して発生するのに対し、一定程度返済が進んでしまえば、利息が発生する元本そのものが圧縮されているので利率が上がっても利息の増加額の影響は、借り入れ当初ほどではないからです。
例えば、3年間で300万円を借りて、毎年100万円ずつ返済するときの変動金利(1年目1%、2年目2%、3年目3%の平均2%)と固定金利(全期間2%)の利息返済額は以下の通りです。
- 変動金利の場合、1年目3万円(300万円×1%)、2年目4万円(200万円×2%)、3年目3万円(100万円×3%)の合計10万円
- 固定金利の場合、1年目6万円(300万円×2%)、2年目4万円(200万円×2%)、3年目2万円(100万円×2%)の合計12万円

固定金利、変動金利どちらも金利の平均は2%ですが、発生する利息額には2万円の差が生じましたね。ただし、変動金利で借り入れをして利率が上がって返済できなくなっては元も子もありません。上記は返済できる前提で支払総額を抑えるならば、という話であり、そもそもの前提として余力を持った返済計画を立てることが大切です。
コメント